リカバリー能力とは・・・
低学年が6年生相手にドリブルで挑みボールを取られた。次の瞬間、取られたボールをつま先でつついて6年生の股下を通して、そこに味方が走り込んできてゴール!試合後に、「今の狙ったん?」とその子に聞いてみる。
選手:
「狙ったんじゃないけど・・・6年生をだましたろうとドリしたらボール取られてん。でも取られた時、相手は「取った」と思って油断しているからチャンスやねん。相手が「取った!」と思った時につつくとチャンスやねん。それが、いいとこに転がってん。」
指導者:
「ナイスリカバリーやな。リカバリーって知ってる?ミスしたのをすぐにフォローしたらミスじゃなくなる。それをリカバリーって言うんやで。ドリで、ものすごく大事な技術やで。相手に引っかけた、相手は取ったと思った瞬間に、もう1回自分のものにしてしまう。それできたら6年生からでもゴールできたやろ。」
選手:
「リカバリーって言うんか・・・じゃあ、『リカバリーは、あきらめない心』みたいなもんやな。簡単やな。あきらめんかったらええだけや。」
指導者:
「『リカバリーは、あきらめない心・・・』そういうことやな。それ簡単なんや・・・笑
ドリ練でリカバリーの力を磨くには、どうしたらいいと思う?」
選手:
「ミスしたときに、あきらめないのがリカバリーやったら・・・ミスしないとあかんな・・・。ミスするぐらい速くやったり、そこであきらめなかったら、リカバリーの練習になる。だけど、それをリカバリーすると、それはミスしなくなるから、そのことが上手くなったら、もうリカバリーの練習ではなくなるな・・・。
そうなったら、またミスするぐらいのプレーしないと、リカバリーの練習にはならないな・・・。あっ、わかったは・・・白井監督はいつも
『ミスしないようにドリ練やってても意味がない。ドリ練はミスするぐらいやれ。でも、ミスを許すな。』
ミスしろと言いながら、ミスするなと言う。
それは、リカバリーのことやったんや。リカバリーって言っていないけど、ドリ練の中で、リカバリーの力が伸びるように練習させているねん。言ってることの中に、リカバリーが隠れているねん。
ミスしても、いい・・・
ミスしたら、あかん・・・
と思っていたら、そいつは練習にならないねん。」
指導者:
「そうなんや。そんなん隠れているんや。」
選手:
「白井監督の話はいつも、ダマしてんねん・・・。話していることも大事やけど、もっと違う大事なことが隠れているねん・・・。話している中に大事なことが隠れているから、ダマされたらあかんねん・・・。何が大事か、いつも考えないとあかんねん。」
『白井監督はダマしている・・・笑』
子どもの視点・思考、面白く的を得ています。
『リカバリー能力とは、あきらめない心』
そこがまずあるようです。