▼ 2018サルヴァメモリアルカップ U-12
3/11(日)奈良県・天理白川グランドにて、天理FCさんに会場提供・設営などのご協力をいただき、主催大会として2018サルヴァメモリアルカップU-12を開催させていただきました。
今年の6年生(サルヴァ5期生)にとっては、この大会を集大成として目標に定め、大会が決まった日からの約1ヶ月半、足りないモノと向き合いながら、日々、練習を積み重ねて遂にこの日を迎えました。
参加チームにはこの学年で特にお世話になったチームの方々にお声かけをさせてもらい、卒業間近のお忙しい中、遠方より下記チームがサルヴァメモリアルカップに参加してくれました。
【参加チーム】
1. 天理ユナイテッドFC (奈良)
2. FC FAMILIA (三重)
3. 海南FCジュニア (和歌山)
4. 徳島ヴォルティス (徳島)
5. コニーリョ中山FC (兵庫)
6. アミティエSC東播磨 (兵庫)
7. FCエストラージャ (兵庫)
8. FC Salva de Souza (大阪)
各チームの6年生にとって、それぞれのチームユニフォームを着てサッカーをするラストが近づいているため、指導者も選手も保護者も様々な思いを抱きながら、自分たちが積み上げてきたプレーを随所に魅せてくれ、大変素晴らしい大会となったことはもちろん言うまでもありません。
また、大会結果の方は、8チーム総当りのリーグ戦方式。10分ハーフを7試合戦い抜き、優勝したのは今年の和歌山チャンピオンである海南FCジュニアさんでした!
Tさん優勝おめでとうございます!
参加チームの皆様、遠方より参加して頂き有難うございました。また大会を開催するにあたり、ご協力して頂きました天理FC、ユナイテッド平野の皆様、誠に有難うございました。
そして、この日のサルヴァはサルヴァ祭りと称し、同一会場に全学年が集まり、大会の合間に他カテゴリーのトレーニングマッチを行い、それ以外の時間はU-12選手たちの応援をするといった企画も行い、サルヴァ5期生最後の勇姿を他カテゴリーの選手も保護者もしっかりと見届けてもらいました。
▼ 5期生との苦悩・・・
そんなサルヴァ5期生の彼らですが、ここに来るまでは本当に山あり谷ありの学年でした。
サルヴァを立ち上げる前のチームからずっと一緒に共にしてきた選手たちがいた去年の4期生とは違い、彼ら5期生は最後こそ8名となりましたが、サルヴァ立ち上げ当初は1人しかいませんでした。
そんな中で、昔教えていた選手、サルヴァに所属していた選手の従兄弟、知り合い、などが少しずつサルヴァに入ってくれていましたが、選手がようやく集まり出したのは彼らが5年生の9月頃になってからやっとのことでした。
もちろん入ってきてくれた選手たちも様々で、上手くなりたいと言ってサルヴァに憧れや興味を持ってくれてはいるものの、所属チームで試合に出れなかったり、うまくいかなかったり、サッカーを辞めかけていたりなど、どちらかというと自信のないような状態でサルヴァに入ってきた選手がほとんどでした。
そんな彼らと5年生の残りの半年間は、6年生から最後の一年間を迎えるにあたり、技術のベース、サッカーに対する考え方、自分の心を強くしていくこと、自分をコントロールしていくこと、そして何よりも自分自身と向き合い自らに打ち克つことなど、サルヴァのベースとなる考え方を半年間は詰め込むような形で我慢強く指導を続けてきました。
そしていよいよ彼らが6年生となった2017年4月、本当の意味での彼らとの戦いが幕を開けました。
最初の2ヶ月間は教えるペースを上げて、テーマを定めては次のステップに入っていくという流れの中で、とにかくチームとしての戦い方を個人技術の底上げとともに詰め込んで教えた気がします。
そこから夏に向けて、課題を見直しては改善を図り、また現実に起こった結果を分析しては新たな取り組みを継続していくということを秋頃まで繰り返し行いました。
しかし、思うような結果や手応えは感じられず、こちらの意図した狙いとは裏腹に、チームはどんどん悪い方向へ…(その時の反省としては、彼らの気持ちを指導者が追い越してしまっていたことが原因だと捉えています)
またそのような苦い経験をして、彼らから学んだことは
『指導という名のもとで彼らに教えるということは、決して指導者の正しい知識を”伝えたこと” ではなく、選手があらゆる状況の中から “感じ取ったこと” こそがその選手における指導の結果であるということです。』
時にはそれが第三者から見て間違っているように思えることでも、後々の結果に大きく結びつく布石となることもあり得るということを忘れずに、今行なっていることが過程の一つと信じて選手と向き合っていくことの大切さも彼らからたくさん学ばさせていただきました。
チームの歯車が噛み合わない、指導者・選手・保護者の信頼関係にも影響が出始める、目に見える成果や結果が全くもって出てこない、などなど、この時期ぐらいまでは本当に苦しい時間の中でずっと悪循環をたどっていました。
▼ 魅力ある成長
しかしそんな彼らにも徐々に光が差し始めます。秋頃から年末に向かっていく中で、ようやく彼らのこれまでの努力や苦しみの中でもがいてきた成果が目に見える結果にも繋がりはじめました。
そして年末に行った山口遠征では初日の大会で遂に優勝することができ、中でも決勝戦の闘いでは本当に苦しみながらも彼ら一人ひとりが本気で勝ちたいという気持ちと、自分が苦しみながらでも目の前の仲間を助けてやるという気持ちを最後まで忘れることなく、熱いプレーをピッチの上で表現してくれ、見事な逆転劇で優勝することができました。
もちろんそれ以降も良いことや悪いことを経験していく中で、常に足りないモノと向き合い、課題を克服していくために努力を積み重ねていく日々の中で、時の流れは早いもので、いよいよ卒業を間近に控えたこの日、サルヴァメモリアルカップを迎えることとなりました。
結果は8チーム中の3位…優勝チームには0-2で敗れ、準優勝チームには1-1の引き分け、結果的にはその2チームには勝利することはできませんでした。
もちろん努力したからといったすべてがこちらの望んだ通りになるとは限りません。むしろサッカーに限らず、競い合っていく社会の中ではこちらの思い通りになることの方がよっぽど少なく、上手くいかない度に、常に知恵を絞り工夫を重ね、自分の向上心を妨げるモノと向き合う中でそれに負けじと打ち克っていく強いチカラが目標に到達するためには必要不可欠です。
ですから今回の敗戦や結果も彼らサルヴァ5期生の実力でした。いや、むしろ彼らを指導していた私の力不足の結果です。優勝チームとの敗戦後は数名の選手は泣き崩れ、ほとんどの選手はうなだれていました。しかし結果はどうであれ、現状を受け止め、受け入れて、前に進まなくてはなりません。
ただ、一つ言わせてもらいたいのは、彼らはこの一年間でお世辞抜きに本当に成長していたと思います。
なぜなら、一年前の彼らから試合後のこのようなシーンは見られたのか?ということに指導者として非常に考えさせられるものがありました。目の前の相手に勝ちたい、もっと上手くなりたいと口で簡単に言うのではなく、苦しい局面でも、上手くいかない状況でも、最後まで諦めずに戦い抜く姿は少なくとも去年の彼らにはありませんでした。
闘争心をむき出しに戦ってくる相手でも、激しくプレッシャーをかけて奪いにくる相手でも、決して慌てることなく、いつでも堂々と落ち着いて相手を上回ろうとプレーする彼らの姿はとても勇敢でした。
あんなに技術が低く、落ち着いてボールを持てなかった彼らが、自分たちの技術とセンスで良いタイミングを生み出し、自分たちのチカラで試合の主導権を握り、時としてサルヴァらしい華麗な崩し方で相手ゴールに迫るシーンは観るものを魅了していました。
そして仲間の一人ひとりに最後まで声を掛け合って、味方同士でカバーをし合って、自分を犠牲にしてでも次の仲間にボールを繋ごうとプレーしている姿には心から感動させてもらいました。
もしもサッカーの試合にスコアという結果ではなく、内容で判定という結果があるのならば、昨日の彼らはすべての試合で判定勝ちという結果だったのではないだろうかと、親バカのようですが彼らの指導者として本当にそう感じています。
それぐらい彼らの闘いぶりは魅力的で感動的で誇らしいものでした。ただ、あくまで目に見える結果としてはまだもう少し足りていなかったことも事実です。試合後の彼らにも話しましたが、結局最後の結果を決めるものは、その時の想いだけではなく、これまでの日々の積み重ねの中で身につけてきたものでしかないということです。
また彼らが次の中学生年代へと進み、各々が自分と向き合う中で足りないモノと闘い、大きな喜びや悔しい思いをすることを繰り返す中で、自分の心の中で望んだ結果を手に入れれるように、正しさを自分で証明できる人間になってもらいたいと強く思っています。
▼ 指導者としての成長・感謝
サルヴァ5期生の彼らが、周りからどのような評価を受けているかは分かりませんし、気にする必要もありません。ですが、彼らの保護者、スタッフ一同、去年からの彼らを知ってくれている人たちが、この一年間の彼らの変化を見てくれていれば、きっと彼らのことを大きく評価し、彼らのことを誇りに思ってくれることでしょう。
もちろんそれを一番感じているのは、言わずもがな指導者の私自身であります。
サルヴァ5期生の彼らを本当に誇りに思います。
そしてまだまだ挑戦の途中の彼らには心からのエールを送りたいと思います。
これからの君たちの未来に期待しています。
保護者の皆様、関係者の皆様、彼らに携わっていただいたすべての方々へ心より感謝申し上げます。そして5期生の選手たち、最後までサルヴァを辞めずに頑張ってくれて本当にありがとう。君たちから学んだことは私の宝物であり、これからの財産として必ず指導者人生に生かしていきます。
本当にありがとう。
FC Salva de Souza
代表 白井 洸