▼ 決意と覚悟と努力

新たに加入してくれた選手たちの多くが、サルヴァを選んでくれた理由の一つとして、「ここならもっと上手くなれる」と思い、それを信じて入ってきてくれる子どもたちばかりです。

本当にありがたいの一言ですし、もちろんサルヴァに入ってくる時点では、彼らは前所属チームの中で高い評価を受けている選手ではない場合がほとんどです。試合に出れない、自分は下手くそ、自信がない、でもサッカーが好きだからなんとか上手くなりたい気持ちはある・・・etc

しかし当然ながら、サルヴァに入ったからといって、本人の決意と覚悟、相当な努力を続けなければ、劇的な成長はないでしょうし、結果も中途半端なもので終わってしまいます。結局のところは環境云々ではなく、本人の意思によるものが大きいということを選手と保護者にはまずはじめに、ご理解して頂いています。

そういったことを、体験参加を何度も繰り返して感じてもらう中で、選手、保護者、指導者で話し合い、本当に覚悟を決めれるかどうかという質問をした上で、新たにサルヴァの新メンバーとなります。

だからこそ、試合では勝てずにボコボコにされる。なかなか上手くいかず諦めてしまう。ミスすることややられることが怖くてボールに関わることをやめてしまう。といったプレーヤーも、まだまだたくさんいます。

自信や技術を含め、身につけた能力というのは、それを獲得するために「費やしてきた時間 」に比例するからです。短い時間で磨ける「武器」など、本当の戦いでは使えない。日々磨く決意がとても大切です。もちろん個人差はありますが、そのような選手の多くは、まだサルヴァに入って一年にも満たないことがほとんどです。

そしてまた、入ってくるタイミングが年齢やサッカー歴、保護者や周りの大人の関わり方によっても個人の成長するスピードが全然違うということを、これまでにたくさん学びました。例えば、入ってくるときに自信がない7〜8歳の子どもと10〜11歳の子供では 「自信がないということを積み重ねてきた時間」 も当然違うわけですから、それを取り除くための時間にもそれだけの差がでてきます。

そう言ったことを踏まえた上で、彼らにはこれからサルヴァを続けるなかで、成長してもらうことを期待しています。そして、子どもたちに伝えている「本当に上手くなる為に必要なこと」を下記に記載します。

*以下、口語で記載していますので、多少読みにくいですが「思い」を伝えるためとご理解下さい。


▼ 普通とは?

「本当に上手くなりたいと思っている人?どんなことがあっても、上手くなるためなら頑張れると思っている人?」みんなそう聞いたら、「やってやろう!」て手を挙げるねん。それに今はそのことに対して嘘じゃなくて、心からそう思っているねん。

でもな、「上手くなりたい」って本当に思っていてもな、それを邪魔してくることがいっぱいあるねん。例えば、リフティングとかドリブルとか練習してても、上手くいかんかったら、諦めたくなるわけやんな?

試合してても、自分がミスしまくったり、取られたり、試合に負けたり、プレッシャー強く来られて慌ててたりしていたら、ボールを受けるんが怖くなるわけやんな?

じゃあそれを見た俺とか他の指導者が、怒ったり注意したり、怒鳴ったりすることもあるかもしれへん。家に帰ったら、お父さんとかお母さんに、「今日のプレーは何やったん?」ってキツく聞かれるかもわからんわけやんな。じゃあそういうことが起きた時に、「自分の心はどう思ってるん?」

「上手くなりたい」とか「どんなことがあっても頑張る」とか思って、さっきは手挙げていたけど、、その気持ちはそれでも負けずに、いつまでも自分の中に残っているんか?そんなことないやろ?凹んだり、落ち込んでいるんやろ?

でもな、そんなふうに思ってしまっていたら、サッカーが上手くなることや、特にプロになって活躍したり世界で有名になりたいと思うんやったら、そんな気持ちになってしまっていたら、もう一生なられへんで。

だってそうやって、弱気な心になってしまっている一番の理由は、自分やろ?周りから言われたり邪魔されたりしたけど、それに負けて弱気になったのは自分がそう思い込んだからやろ。

最初にも言ったけど、「サッカーが上手くなりたい」「もっと強くなりたい」って思うのは、誰にも邪魔されてないところでは、みんながそう思えるねん。ここにいる全員が。でもな、その気持ちをたくさんのことが邪魔してきたときに、ほとんどの人はそれに負けてしまうねん。それが普通やねん。


▼ 凄いとは?

でも、「上手いとか強いってことは、普通ではあかん」わけやんな?凄いというのは、普通の人たちが出来ないことをやれたり、考えられないようなことを考えていたり、耐えて頑張ったり、周りよりも特別な存在になるからやろ。

じゃあ何があっても、どれだけ邪魔されても、「自分は、どんなことにも負けずに戦って勝ってやろう」って思って、本当に勝ち続けていかないと、夢は叶えられへんで。「どんなことがあっても、それをプラスに変えて、エネルギーに変えていこう」って思っていなかったら、成功はせえへんで。

それにサッカーは相手が邪魔をしてくるスポーツなんや。綺麗事を言ったって、周りがたくさん褒めたからって言ったって、そんなことで、サッカーでの本当の自信が付くことはないねん。だって結局試合の中で、戦っているのは目の前の相手やねんから。

「周りの声は関係ないし、影響を受けたらあかんねん。」

それに相手が強ければ強いほど、そこを乗り越えていかないと、上手くなれないし、強くも凄くもならんのとちゃうか?周りは応援してくれて励ましてくれて、自分の弱い心を助けてくれようとはしてくれるけど、結局、最後の最後にそれが折れないかどうかを決めるんは「自分自身の心の強さ」でしょ!周りを気にしているのは、目の前の現実から逃げて、弱い自分と向き合いたくないから、周りに頼って目を背けてるねん。

サッカーの試合中やったら、どれだけ応援してもらって、色んなことをプラスに考えようと思っていても、自分に技術がなくて、プレッシャーに慌てて、ミスするのを繰り返していたら、見た目では平気に見せていても、ホンマの心の中では、

「弱い自分になっているのが、分かっているはずやろ?」

だからそれでも、「負けない心を、最後まで持ち続けれるかどうか」やねん!それは「自分が、上手くなったり強くなったりしないと、不可能やねん。」だから人より練習をして、「上手くなろうっていう気持ち」「自分の実際にやっている行動」が両方伸びていかないと絶対に上手くはなられへんよな?


▼ 自分がどうなりたいのか?

今上手いとか、今負けてるとか、もっと言ったらサルヴァがどこより強くてどこより弱いとか、そんな結果は、卒業する時には一切関係ないねん。でもその時に、どこのチームの誰であっても、自分の心の中の強さだけは、絶対誰にもに負けたらあかんねん。

「どこの誰よりも、俺らは上手くなるって。」

日本一になるチーム。世界一になるチーム。勝つチームがあるから負けるチームもある。でも、勝って優勝したチームは毎年あるねん。でも時間が経てば、大概みんなそんなことは忘れてて、覚えているのは優勝した本人らだけやねん。

でもな、魅力的かどうか、周りから凄いと思われたり、感動させたりすることは、人の心を大きく動かすねん。勝ったこと以上に人の記憶に残ることは 「 心を震わせ、動かした瞬間」やねん。とんでもない結果を出していく為には、今はまだ誰の目にも見えてないことかもしれないけど、自分の心の中だけでは、そう強く思い続けて挑戦していかないとあかんねん。

それが信念や!

信念が現実を創り出すねん!

だからいつでもどんな時でも、自分の心を何かに邪魔されようとした時は、そこに負けずに、自分の心を強くする練習やと思って、これからもずっと諦めずに自分と戦って勝っていくんやで…


今サルヴァを選んできてくれている選手たち全員が、卒業する時にサルヴァを選んで本当に良かったと思ってもらえることが、我々指導者の本当の責任であると感じています。私が指導者を始めた一年目に出会ったチーム、そして指導者・・・。その方との出会いから、私の人生は大きく変わりました。

上手くいくこといかないことも、その全てをエネルギーに変えて、これからも自分の信じた道を力強く歩んでいきたいと思います。

FC Salva 代表監督
白井 洸