▼ アンドレス・イニエスタの凄さ(Andres Iniesta LIFE より抜粋)
イニエスタは、ゴール数もアシスト数も目立つわけではなく、ましてやスピードやパワー、高さで相手を凌駕しているわけでもない。それでも、メッシ、ネイマール、多くの選手たちが、イニエスタについて語っている圧倒的凄さ・・・
ジェラール・ピケ
僕はトレーニングで、ありとあらゆる手を使ってボールを奪おうとする。後ろから忍び寄ったり、隠れてから脅かしたり。でもあの野郎にはいつも逃げられる。どういうわけだか、いつも見つかってしまうんだ。まだ奪えたことはないと思うね。
ハビエル・マスチェラーノ
僕は、ボールを相手から遠ざけてキープすることはできるけど、アンドレスは加速して相手を置き去りにできる。アンドレスは相手に催眠術をかけ、足元のボールで自分のペースに引き込む。そして相手が引きつけられると、突然、視界から消えてしまうんだ。DFとしては対処が難しい。速くないように見えて速い。もろいように見えるが強い。
アンドレスは足にボールを吸い付けているんだね。ボールとの間が10センチ以上開くことはないから、ボールは逃げない。レオみたいだ。まるでボールが体の一部で、くっついているようなんだよ
リオネル・メッシ
子どものころに、通りでサッカーをやっていると、あとになってすごく役立つことが身につくものなんだ。自分より大きなプレーヤーとの対戦に慣れるし、そのために自分のプレーを変える必要もない。アンドレスも僕もそこがすごく似ていて、2人とも相手をよけるために体をよく使う。でも、彼はいつでも僕を驚かす部分を持っている。
「彼に追いつける、ボールを奪えるぞ」と思う場面でも、できないんだ。取りたてて足が速いわけじゃないけれど、必ず逃げられるテクニックを持っているからだ。ピッチでは近くでプレーしてもらいたいね。特に、状況がどんどん不利になっているとき、僕らが苦戦しているときは彼に言う。「もっと寄れ、そばに来てくれ」
ネイマール
ボールがイニエスタの足元に届くと、僕はほっとする。あの感覚、あの安心感は、みんな同じだと思うよ。彼が途方に暮れたりプレッシャーにさらされたりしているのは、見たことがないよね。試合が苦しい展開になったとき、僕は彼に言うんだ。「アンドレス、もうちょっとこっちへ来てくれ」って。彼のプレーは簡単そうに見える。
あのドリブルは、まるでスローモーションでやっているようだ。ゆっくりに見えて、実は速い。速いけれどゆっくり・・・意味がわかるかな?スローモーションのサッカーなんだけど、でも速い。それがアンドレスさ。
ペップ・グアルディオラ
徐々に私の目を開かせたのは、センターバックに攻撃を仕掛けることの重要性だったんだ。誰もやらないことだが、見ればわかる。センターバックが最終ラインを崩すと、全てが開ける。守備全体の組織が崩壊し、それまでなかったスペースが開けるんだ。大切なのは、最終ラインを突破し、裏のスペースに抜けることだ。こじ開けて決める。
今日ではドリブルの能力がすべてだ。セカンドストライカーやインサイドハーフがドリブルできることの大切さに気づかせてくれたのは、アンドレスだった。彼がドリブルしてボールを運び相手に仕掛ければ、流れはよくなる。時間が経つにつれ、それがわかったんだ。
ミカエル・ラウドロップ
アンドレスのプレーは、クライフがサッカーは頭脳でプレーするものだと言っていたのを思い出させるね。度胸がある選手やよく走る選手も必要だが、試合で最後まで活躍できるのは、考える選手なんだ。体格は重要だが、タッチほどではない。40年前だったら、イニエスタ、メッシ、グアルディオラ、アモール、ミジャは、体格のせいで出場が難しかっただろうが、今は違う。監督たちはこう言う。
「40回ボールを奪える選手でも、41回奪われていたら意味はない。」
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