25:子どものための、指導とは・・・

1.大会だけではなく、トレーニングマッチの重要性

2.子どもの成長は、大人の求める結果とは無関係

3.子どものための、指導とは・・・

4.相手を見切るために必要なこと

 

『子どものための、指導について・・・』思うところを書かせてもらいました。お時間あるときにでも御一読下さい。

 


1.大会だけではなく、トレーニングマッチの重要性

 

平日はトレーニングを行い、週末はゲームを行う。
これが各チームの一般的な流れだと思うし、ウチもまた然り。
ただ、ゲームにも色々な種類がある。

公式戦、プライベートカップ、フェスティバル、トレーニングマッチ etc…
どちらにも必ずメリット・デメリットが存在する。

公式戦や大会などの勝負の結果に左右されるゲームでは” 落ち着き “” ひらめき “ を失いがちになる反面、

時として自分の” 限界を超えた能力 “ が発揮される瞬間が生まれることもしばしば起こり、結果として選手の劇的な成長につながることがある。

逆にトレーニングマッチやフェスティバルなどの勝敗以上にプレー内容に焦点を当てるチームが多いようなゲームの中では、

お互いの良さを出し合うようなやり合いのゲームを通して、失敗を恐れないチャレンジ精神や、指導者側にも余裕がある状況の中で、

これまでには発見することがなかったような” 選手の新たな特徴 “” 創造性溢れるプレー “ などにより、選手自身がよりサッカーを楽しんで成長していきたいという想いが強く溢れる光景を多く目にすることができる。

どちらにも成長できる要素があり、得られる部分がある反面、得にくい部分も含まれる。

サルヴァではその両方を意図的に行うことで、

 

トレーニングマッチのような” 落ち着き “や” ひらめき ” を持って攻撃することを目指しつつ、

勝敗から逃げずに立ち向かっていける” 闘争心 ” と ” 予測の速さ ” によるオフザボールでの駆け引きに勝っていけるようなチームを目指している。

 

そうすることによって、選手たちはトレーニングマッチと大会の区別がいつの間にかつかなくなり、コチラとしては良い意味での” 勘違い ” と ” 錯覚 ” を生み出させることを狙いとして行なっている。

そういえば、つい先日も最近は大会などが続いていた低学年たちが比較的プレッシャーの少ないトレーニングマッチを数多くこなすことにより、

大会の中では見れなかったようなプレーの変化や、駆け引きの伴ったイマジネーションあるプレーを披露してくれたことが大変嬉しかった。

その反面、このようなトレーニングマッチになっても、大会のように慌ててプレーが早くなることをやめれなかったり、

プレーをコントロールできない選手は、特に日頃から能力任せでプレーしている傾向があるので早く本人には気づいてもらいたいところだが、こちらにも我慢が必要だ。

(まぁその時が、その選手にとって大きく成長するキッカケにもなるから、今慌てる必要はないのだが…)

そのようなプレーを披露してくれた理由は、選手にも指導者にも” 余裕のある状況 “ と、対戦相手や保護者の理解も含めた” 認めてあげる環境 “ の2つが揃ったからこそ生まれた 大変貴重な時間になったと思う。

 


2.子どもの成長は、大人の求める結果とは無関係

 

そういえば、その時にふと、

子どもの成長にとって必要なことはなんなのか?

ということを試合中に考えていた。

大人側が与える側とした場合に、どのようなことを考えて子どもたちを教えるのか?

大会ばかりに参加して勝敗のつくゲームを重ねるのか、それともトレーニングマッチの時間を有効活用にし、冒頭にも述べたように良い意味での勘違いを生み出すのか。

よく仕事のできる大人は行動の” メリハリ ” やスイッチの ” オンオフ “ という言い方をするが、子どものサッカーにだってそれは同じように当てはまるのではないだろうか?

もちろん大人側は子どもたちにはいついかなる時も本気で必死に頑張ってもらいたいし、1分1秒も無駄にしてほしくはない。

当然やる気のない行動をすれば、厳しく咎めて半ば強制的にこちらの思い通りに持っていき、無理やりやる気を起こさせるように仕向けることもよくあると思う。

残念ながらこのような考え方が指導現場においてはスタンダードではないだろうか?

もちろんそこに指導者の信念や考え方が存在するのであれば、指導方法の一つとしては否定しない。

保護者としても、試合があればすべてのゲームに出場してプレーしてほしいし、

強い相手とばかりゲームを繰り返したり、毎週勝敗の結果によりチームとともに一喜一憂したい気持ちも決して分からないわけではない。

 

ただ、厳しいゲームを繰り返し、強制的な練習を積み重ね、息つく暇もないまま追い込まれた状況を与え続けることは、

本来の目的に立ち返った時に、子どもにとってのサッカーを、大人で言うところの仕事としてしまってはいないだろうか?

ノルマに向かって頑張るビジネスマンは結果がすべて。

ただし、12歳にも満たないような小学生の選手たちが、毎回毎回” 大人の都合 “ で追い込まれるような環境では、

育成の最終的な結果として、今の時点ですでに選手の未来を潰していっている気はしないだろうか?

 

ワールドカップで活躍した乾貴士をはじめ、活躍した選手の足跡を辿れば、これまでの育成の考え方をサッカー界全体がもっと見直す必要があると思う。

 

ただ、我々は指導者として、子どもの持つ夢をいかに壊さず膨らませることができるのかという点においては、

大人の世界は結果がすべてなんだろうと思うからこそ、こうして自チームのやり方や在り方を発信していく中で、

あらゆる困難や否定や批判と戦いつつも、応援してくれる人たち、信じあえる人たちとの人間関係を築き上げて、みんなの力を合わして日本サッカー界の未来に結果として証明したいと強く思う。

 


3.子どものための、指導とは・・・

その上で指導者は彼らより少し人生の先輩であるというだけで、彼らに言うだけではなく、自らが学んで成長する努力を怠ってはいけない。

ここで言う ” 学ぶ ” とは、海外で勉強したり、積極的にサッカー戦術を学ぶといったことだけがすべてではない。

(もちろんその行動は指導者側の努力として賞賛に値するが…)

ただひとつ、決して忘れてはいけないのは、我々は日本人だということ。

 

大人が学んだことをそっくりそのまま横流しにして子どもに教えることは、日本においては私は決して指導力のある指導だとは思っていない。

 

日本の子どもと海外の子どもには” 大きな違い “ があることをまずは理解すること。

『俺らは生まれた日本で日本人を相手に指導をしている。』

指導をしている毎日の中で、この言葉が頭から離れた瞬間はないと言い切れるくらい、自分自身が大切にしている想いでもある。

まずは、サッカーを知る前に、子どもが何者なのかを知らなければならない。
そして、もっと自分自身を知らなければならない。

もっともっと日本を知る必要があり、世界を知る必要がある。

子どもたちの未来に携わっている1人の指導者として ” 目の前の子どもたち ” から学び、また ” 目の前の子どもたち ” に還元する。

指導とはその繰り返し以上でも以下でもない。

 

そこには誰の真似でもなく模倣でもない唯一無二の指導方法が必要であり、その積み重ねこそが自分自身の指導力を高める一番の近道だと信じている。

『自分の求めたやり方で、一体どれだけの人の心を掴めるのか。』

サッカー指導者という仕事に誇りを持ち、魅力のある人として更なる人生を歩みたい。

先日のまったりとした雰囲気のトレーニングマッチを同志である指導者たちと眺めながら、ふとそんなことを思い書かせてもらいました。

 

サルヴァ ジ ソウザ(大阪府豊中市/U-12)
代表 白井 洸

 

 


補足文)

4.相手を見切るために必要なこと

 

大人は、世の中厳しいんだから、、子どもに厳しくすることは「子どものため」という論理を作りあげてしまいがちです。

厳しい環境でやらないと、厳しさに耐えられる力がつかない・・・。

遊べる緩い環境にいると、厳しさに耐えられなくなる・・・。

大人の世界でそういう論理が成り立っていても、子どもの成長には全く当てはまらないのでは・・・

「子ども時代の”遊び心”は、想像力を育てるために必要不可欠である」

と言われていることを、大人は決して忘れてはいけないと思っています。

 

例えば、柔道で、

自分より強い相手と戦えば、必死にその速さについていき、ギリギリで凌ぐ中で、戦う姿勢が身についていきます。

一方、自分より弱い相手となら、相手の足さばき、重心移動、どうすれば相手の重心を崩せるのかを見切れるようになっていきます。そこにある心の余裕には、遊び心があります。

自分より弱い相手がガムシャラに向かってくるとき、心の余裕から冷静に観察しながら重心を崩すことができる。それがわかる者は、自分より強い相手と対戦しているときに、自分がガムシャラさだけで戦っても、観察されて見切られていることが見えてきます。

成長には、どちらかだかだけではダメで、そのどちらもが必要。

但し、その本人が、

 

自分より強い相手に、ビビったり、諦めているなら、何も得ないし、

自分より弱い相手に、弱いからと勝手きままに力任せでするようでも、何も得ない。

 

ボクシング、アイスホッケー、サッカー・・・あらゆるものにおいて、両方の立場になったときに、見えてくるものは多いです。

 

練習時のゲームにおいても、勝敗を強く意識させてゲームをさせる場合と、発想やチャレンジすることを意識させて余裕を持たせてゲームをさせる場合では、同じ練習中のゲームでも伸びる要素は違います。

子どもたちは、まじめに従順になるように育てられているため、騙すことを自然と発想するように育成していかないと、頑張ってまじめに駆け引きをしてしまいます。

 

また、相手を見切るためには、大会などの勝敗の色の濃い状況で伸びることもあれば、トレーニングマッチなどの心の余裕を持てる状況によってこそ伸びる要素があります。

状況はどうあれ、全てにおいて、自分と同等の力という状況の方が少なく、

 

自分よりも強い相手からも、

自分よりも弱い相手からも、

学んで成長しようという姿勢の人が、成長を加速させていく。

 

子どもたちが試合をする中で、

「状況に関わらず、成長は自分次第である。」

そこに心底気づかせることが、成長には欠かせないと思っています。

 

WRITER-KUME

 

 


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