14:脳を駆け引きに使うには?②

行動にストップをかけられる前頭葉

「無意識の部分の大脳基底核(だいのうきていかく)に、如何に良い癖を覚え込ませるか?」を考えると、自分の意識の部分、前頭葉(ぜんとうよう)の働きについて考える必要があります。

前頭葉は、「その行動の意味と結果を考え、良くないと思えば、行動にストップをかける」ことができます。

そのため、前頭葉を事故などで損傷した場合、人としての理性や結果を考えて行動することができなくなり、大脳基底核だけでは同じ行動を繰り返すようになります。

前頭葉の「この行動を繰り返すことに意味があるのか?」と思考して、行動にストップをかける機能が、良い癖をつける際に邪魔してきます。

 

このストップをかける状態について、脳科学者:茂木健一郎氏によると

一度「やらされている」と受け身に感じてしまうと、脳が抑制されて前頭葉を中心とする「やる気の回路」がなかなか働かなくなるということが、脳科学でも証明されている。

脳は「自分の課題だ」と実感したときに初めてやる気を出します。

 

「脳の活動は抑制や制約により停滞する」が、それはあくまで「他者からの制約」です。

自分で自分に課す「自分からの制約」は、逆に脳のモチベーションを上げる行為となるのです。

 

頑張りを習慣化させるためには、余計なことに脳のエネルギーを使わないで済むよう、いかに脳を無意識モードに持っていけるかがポイント。

 

 


他律を自律に

練習をやらされている状態では、行動にストップをかける機能が働いており、無理やりやらせていても、その場から離れてしまえば、本当の意味では何も身についていないということになります。

 

たとえば、爪を噛む癖をつけようと思い、

人から「爪を噛みなさい。爪を噛みなさい.」と言われて爪を噛んでいても、前頭葉は「なんで爪を噛まなあかんねん」と常にストップ機能が働いています。

爪を噛む癖のある子は、自分からそう行動しているから爪を噛む癖が身についているのです。

 

行動を繰り返す事によって、癖にする。

→ そのためには、前頭葉のストップ機能を働かせない。

→ そのためには、自分の課題であると認識して、自分で行動する。

身につけたい癖は、それを「身につける意味は何なのか」を本人が納得することが大切です。

そして、自分の課題だと認識すれば、そこからは前頭葉で頑張らずに、繰り返す事によって大脳基底核に癖として身につけていきます。

 

だからこそ、同じ行動をするのに、どんな言葉を伝えているかは大切です。指導者、保護者は、子どもたちが他律ではなく、自律で行動できるようにいつも考える必要があります。それは誰の課題なのか?指導者、保護者の課題ではなく、子どもの課題であることを理解させるために。

 

良い指導者というのは、練習メニュー以上に、子どもたちの脳に働きかけ、前頭葉を頑張らせずに、大切な事を身につけさせる言葉を持っています。

良い癖を身につけることは、前頭葉を脳の司令塔として機能させ、駆け引きのために脳を使うことにつながります。

 

WRITER-KUME

 

【参考文献】

茂木健一郎『結果を出せる人になる「すぐやる脳」のつくり方』

 

 


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